ミス・サイゴン2回目

行ってきました。2回目のミス・サイゴン。今日のキャストは自分的本命のキャストである市村エンジニア、知念キムなので相当期待していったわけ。で、期待通り素晴らしいものだったので大満足な私。前回のレポートで書けなかった事も含めて述べていこうと思います。

ミス・サイゴン 8月31日マチネ 12:30開演

主なキャスト(敬称略)
エンジニア:市村正親 キム:知念里奈 クリス:石井一孝
エレン:ANZA ジョン:坂元健児 ジジ:平澤由美

二回目ということで今回はオペラグラス持参(一回目は持っていかない主義)で細かいところをチェックしながら見てきたのですが、いやはや、まずは最初にこの人のことを語らないといけないでしょう。市村エンジニア、ブラボーです、素晴らしいです、素晴らしすぎです!まだ4人全員聞いていないのですが市村さんがいればイイです的な雰囲気かもし出されすぎ。なんなんでしょう、あのかっこよさは。想像をはるかにはるかに超す見事なエンジニアに終始圧倒されました。サイゴンのオーナーとしての立ち振る舞いにしびれ、ホーチミンでのよれよれぐあいに目を疑い、バンコクで復活する姿に鳥肌が立ち、と、場面による芝居の違いに感動しました。前回はCDを聞き過ぎたせいで(自分にとって)悪影響があったのですが、市村さんはさらに素晴らしいエンジニアになっていたのでそんな影響全くなし。それよりも12年間でますます円熟したエンジニアに圧倒されました。市村さんのエンジニアを見ることが出来てとてもとても幸せでした!と、言いたい。特に印象に残ったのがタムとエンジニアが一番最初に出会う場所から「夢、手に入れるぞ」のあたり。市村節炸裂でここは泣く場面じゃないんはずだけどじわりじわりと涙腺がゆるくゆるく。「アメリカンドリーム」でさえ泣けた泣けた。大御所らしく、いろいろなアドリブ(もちろん計算されたものでしょうが)がしっかりと観客にうけていたのが印象的。さすがです。いや、ほんと、市村エンジニアを見ることが出来てよかった。(そういえば一幕の最初の方、足を引きずるような仕草が気になったのですが、あれは芝居なんですかね?エンジニアが足怪我してるという設定は知らないのでちょっと心配です)
そして今回聞けてうれしかったのが知念キム。前に屋根の上のヴァイオリン弾きを見に行った時(http://d.hatena.ne.jp/Tantan/20040410#p1)に知念さんが出ていて、本田さんのようなキムになるんだろうなぁと予想していたのですが、まさにその通りのキムで涙ちょちょぎれ。オペラグラスで表情をしっかり見ようと思うのだけれども、どうにもこうにも涙が出てしまってよく見えない。たまに音程をはずすんですが、全く気にならないくらい、たまらなく好みのキムでした。石井さんクリスとの愛称もぴったり(に、みえた)で曲の終わりのロングトーンがとてつもなく気持ちがいい。どうして本田さんに似ているように聞こえるのかなぁと思ったので考えてみたのですけれど、おそらくビブラートが発声と同時にかかるからだと思うのですよね。私、そういうの大好きです。あの等間隔で揺れるビブラートが琴線に触れるのですよ。声もそうですが、芝居もよくって、トゥイとの対決の場面、表情をみているとすごい気の強そうなキムでまるで漫画のような表情だったのですが、それもまた好みの知念キム。べた褒め過ぎますか?それぐらい自分の求めるキムに近かったのですよ。本田キムが好きな人は知念さんを見に行けばいいかもしれない。(もしかしたら新妻さんや、笹本さんがさらに上を行く本田度かもしれないけど、今まで他の作品でみた感じ、それはないと思う)
今日はどのキャストも素晴らしかったのですが、もう一人特記したいのがジョンをやった坂元さん。実は今日のソワレを最後にジョン役は終わりで、9月からはなんとクリスになってしまうという坂元さん。そのせいなのか今日のジョンは一味違うって感じでこれまたブラボーブラボーなのでした。クリスに電話で「すぐに戻れ」っていう場面、「ばか!」って叫んでいたし、ブイ・ドイのソロなんて前回よりも明らかに長く伸ばしていたし。8月にしか見ることが出来ない坂元ジョンを二回も見られて幸せかもしれない。(そうそう、カーテンコールで、もはや坂元さんのお約束となった側転からのばくてんもみることができましたよ。観客大うけでした)
クリスといえば先ほどチラッと書きましたが、石井さんのクリス、やはりいいですね。高音の伸びがとてもきれいで鳥肌が立つほど。サンアンドムーンなどのデュエットよりもソロで聞くとさらによさが際立って聞こえました。なんだか力はいりすぎに聞こえてしまったところもありましたが若いクリスっていった感じでそれもまた味。エレンに向かっての独白、終わったあとにブラボーと叫びたくなるほど。(心の中では猛烈なブラボーを送っていました)繰り返し繰り返し聞いてみたいのでCD化を切に希望します。東宝様、ぜひぜひ!
そういえば、トゥイのtekkanさん、前回聞いたときよりも迫力倍増って感じで「お!」って思いました。特に幽霊姿の時のtekkanさん。素晴らしかった。
ジジの平澤さんですが、今まで聴いたことのないタイプの歌い方で、なんていえばイメージが伝わるのか、ゴスペルを歌っているような歌手がジジをやったらこうなりましたっていった感じのジジで素直に感動。
前回聞いたときに「がっかり」といってしまったANZAさんですが、あれは私の頭の中のエレンが強すぎたせいだと今日行って改めて思いましたよ。調子が悪いのではなくあーいった歌い方するのがANZAさんなんですね。失礼いたしました。鈴木エレンのイメージを排除するように努めて聞いてみたところ強いんだけどちょっと悲しくてやさしいエレンが見えてきてANZAさんもいいなぁって思いました。
なんだか今日はほんとによかったーって思えたキャストでしたよ、ほんとに。やはりミュージカルは一回みるだけじゃよく見ることは出来ないですね。帝国劇場の近くに住んでいるから出来る贅沢ですがロングランしているので出来れば最低でも2回は見ることをおすすめします。いろいろ見えてきて面白いです。
そうそう、前回かけなかったことですが、今回のミス・サイゴン上演中の帝国劇場、ベトナム一色に染まっています。場内(ロビーの方)の案内嬢、売店の販売嬢がアオザイ(売店でも販売中)をまとっているし、売店ではベトナムグッズ。そして、私がいつも休憩中に利用する二階の喫茶店ではベトナムコーヒー(店内のみで販売600円)とベトナム風のサンドイッチを、とまさにベトナム一色。レ・ミゼラブルでも、屋根でもそういったことはなかったので力はいってるなぁといった印象。次行った時にはベトナムコーヒーにチャレンジしようと思います。次回は未定。まだみていない井上クリス、岡ジョンあたりを狙ってチケットをゲットしようと思います。さーて、何回行くことになるのやら・・・