エリザベート

山口祐一郎さんは、やはり特別。男だって惚れるんです。
今日は、今期3回目のエリザベート。前回、前々回とは違うキャスト、山口トート、浦井ルドルフなので行く前からわくわくしていたのですが、冒頭にも書いたとおりすんばらしい山口トートに鳥肌ものな舞台でした。もう、出だしのワンフレーズから「あ、別格だ」と思ってしまうくらい美しい、麗しいお声で、惚れますね、っていうか、惚れた。内野さんも素晴らしいロックでセクシーなトートを演じていたのですが、山口さんのは正統派トート。伸びやかに一つのフレーズを十分に保って歌うところがなんともつぼ。裏声と地声の使い分けがとにかく気持ちよくてうっとりしてしまいました。今回山口さんをはじめてみるに当たって気になったことが数点。今回の公演の山口トート、前回の公演よりもなんだか落ち着きがないように感じたのは何故でしょう。最後のダンスなんて山口さんらしからぬ激しい動きでちょっとびっくり。今回の新しい振り付けはトート閣下にもおよんでいるのですね。腰の前で両手を振り振りする姿は「え?」って感じ。内野トートだとそんなに気にならなかったんですけどね、不思議。大柄な山口さんだからめだっちゃったんでしょうか。あと、エリザベートがフランツに最後通告をするシーンで羽ペンをもったトート閣下。拒否され怒ったのか羽ペンを床に投げつけ見事命中、突き刺さって・・・これ、山口さんだけですかね?内野さんの時の記憶がございませぬ。昔コンパスを床に投げつけてさしていた思い出がよみがえりましたよ。それにしてもしびれる歌声でしたねえ。ほんと。
さて、山口さんばかり書いていてもしょうがないのでここらで浦井さんのルドルフについても書いておこうと思います。前回のパクさんとタイプの違う、若々しいルドルフでとってもすがすがしい若々しいルドルフでした。歌い方もプレーンなのびのびした歌い方で山口さんにぴったりの組み合わせだなと。闇が広がる、上のAs(Gis)の音をきっちりと歌ってくれるルドルフで涙が出ましたよ、ありがとう。浦井ルドルフ。こういうのがききたかったんだよって感じでまさにつぼなルドルフでした。パクさんよりあっさりと死んでしまったのも浦井さん独自の解釈が伝わってきたというか、舞台慣れしている感じがしてグー!あ、そうだ、「ちちうえ〜」がなんとなくエリザベートの世界というよりも和製演劇を思い出してしまいました。
今回3回目の観劇というところでオペラグラスを持っていったのですが(回数を重ねるまではもっていかない主義)なぜかメイクが気になって気になってそればかり追いかけていた自分がいました。ゾフィーお婆様はやはり年をとっていくと眉毛が変わっていくんだなぁとか(若い時は逆ハの字なのに晩年は薄くなる)、マックス2度目の登場の時は死人らしく青いんだとか、マダムフヴォルフ化粧濃い〜とか。そんなところばかり見ていたので山口さんのはしごのシーン見逃した・・・それはおいておいて、3月に見た時から今回までにだいぶ変わってきたところありますね。セリフに近い歌い方をするところが皆さん多くなった。特にエリザベート、私だけにの歌い始めの「いやよ」どんどん感情が乗るようになってきた。フランツに息が詰まるって泣きつくところなんて3月の時とはまるで別物。私としては今の歌い方の方が好きなのでうれしい。もっともっと崩して〜
今回のヴァージョンになって新たに好きになった場面があります。それは、最後の最後、悪夢の場面。前回の公演までは銀色の布が舞うところですね。あそこ、なんか冗長な感じがして嫌いだったんですけど、今回からフランツが発狂というか、大混乱というか、とにかく取り乱す姿がもうたまらなく好きで、フランツの「わが妻だ!」で興奮は絶頂に。いいです、あのシーン。不安定な和声の中で響くコーラス、沈黙と同時に現れるルキーニ。いいです、ほんとに。一番最後に奈落から上がってくる死体、あれ、ルキーニだったんですね。前回までわかりませんでした。
というわけで大興奮の舞台を堪能してきましたよ。休憩時間中には山口さんの話題で持ちきり。いつものコーヒーを飲みながらみんなの話を盗み聞きしていると(いえ、聞こえてきちゃうんだから仕方がない。いいんです)あーだこーだと楽しいですね。そうそう、今日休憩中に外でコーヒー飲んだのは私だけでした。なんでだ?
さーて、やはり山口さんはすごいっていうことで今回のレポートは終わり。ここでちょっとしたお話を。グリュンネ伯爵こと治田さん(はるパパ)のHP掲示板にちょっとした事件の話がのっているので見てみたらいかが?1853年にバートイシュル行きのバスが到着した模様・・・次回は29日のレポートとなります(まだいくのかよ!)