レ・ミゼラブル

2001年2月9日 13:00開演
キャスト(主な出演者のみ)
ジャン・バルジャン  山口祐一郎  ジャベール      川崎 麻世
エポニーヌ      島田 歌穂  ファンテーヌ     岩崎 宏美
コゼット       tohko  マリウス       戸井 勝海
テナルディエ     徳井 優   テナルディエの妻   大浦みずき
アンジョルラス    今 拓哉        

前日に体調を崩してあまりよい体調ではなかったのだが、当日目を覚ましてみたらこれまでにないくらいいい感じ。
よかったよかったと安心。が、それはすぐに焦りとかわってしまった。それはなぜか。

寝坊した

のである。13:00開演なのに起きたのが11:30。やばい、一時間しかない・・・
急いで仕度して、家を飛び出したのが11:45、ぎりぎりの時間である。
駅でfeel H"(PHS)を使い予想到着時間を調べると有楽町に12:53到着らしい。
よかった、どうやら間に合いそうだ。それをみて安心して電車に乗った。

予定通り有楽町に53分に到着。帝劇に一番近い出口からでられるように階段付近の車両に乗っていたので到着と同時に飛び出し、階段を駆け下り、改札をすり抜け、帝劇にダッシュ。

入り口では「まもなく閉めます」とのアナウンス。息を切らせながらロビーに滑り込んだときのその時刻は12:55。
そこでそのまま席に行けばよかったのだが、あるものを見つけてしまったために寝坊したことを後悔することに。
そう、今日はバックステージツアーのある日だったのだ。バックステージツアーとは、公演終了後に舞台裏を特別に見せてもらえるという企画である。舞台に乗ってみたかったので絶対に当ててやると意気込んでいたのだが、それは応募する前に花と散ってしまった。
あれは幕間に当選者が発表されるので今書かねばいけない。だが、もう席に行かなくてはならない時間である。しょうがないのであきらめ、席に向かったわけだった。

今回の席は一階席の一番後ろ、6番扉から入って左のほぼセンターでみることができた。一階席なのでお盆(回り舞台)の効果がどのように見えるのかすごく期待していたのである。
オーケストラの音出しが始まり、自分は上着を脱いで席の下に。前回膝の上に置いていた上着がじゃまでどうしようもなかったことを思い出してそうしたわけ。
そういえば今回の席はオケの音が比較的リアルに聞こえそう。ティンパニの音が生っぽい。

非常口の明かりがまぶしい。これは開演すると消えるのだろうか・・・いや、消えないだろう、そうじゃないと非常口の意味がなくなってしまう。しょうがないな、あきらめよう。

さぁ、二度目のレ・ミゼラブルが開演する。また号泣するのだろうか・・・
今回は一階席だからか、空席はあまりないようだ、だが、わたしの席の隣はあいたまま。くるのか?

『第一幕』

今回で2回目となるレ・ミゼ。前回の公演と比べて書いてしまうことになってしまうかと思う。ご了承いただきたい。

前回は二階席。今回は一階席。見た目も違うが、やはり音響的にも違った。
一番違うと思うのは二階で聴いたときの不自然さが明らかに少ないこと。
ミュージカル独特の音響になれてしまったせいかもしれないが、今回はあまり変じゃない。
序奏のリズムセクションがちょっと飛び出し気味に聞こえるが、労働しているという感じがでて、いい感じ。

「しーた、むけ〜」

声デカ!なんか、マイクの出力がすごい。二階席で聴いたときよりも耳にがんがんくる。
舞台も二階よりも近いので役者さんの表情がよく見える。これは期待できる。
よく見えるといっても、囚人の中のアンジョルラス役を探せといってもそれは無理。そこまでよくは見えなかった。
そう、今回はオペラグラスを借りようと思っていたのに・・・寝坊のせいだ。。。

「やつをここへよべ24653!よくきけ!かりしゅつごくだ〜」

でました。川崎麻世さん。じつは、カイヤの旦那という目でしかとらえていなかったこの人、声を聴いてびびった。思いっきりじゃべーるしてるじゃん!と。しかもかっこいいし。
テレビにでている川崎麻世はどっちかというと渋い系というよりもただのハンサム系。あんなに渋いジャベールになるとは思わなかったわけでなかなか意外でうれしくなった。
ここで気になってくるのがバルジャン。

「じゆうーなのか〜」

ん?!きれいな声。そっか、今日は山口さんの日かと、このとき確認。やはり寝坊はよくない。
今回のバルジャンは山口祐一郎さん。「オペラ座の怪人」で怪人をやっていたことがある。CDでは劇団四季ロングラン・キャストで声を聴くことができる。
とにかくきれいな声。鹿賀、滝田バルジャンでみられるねばりっこさがあまりないのにちょっと違和感を感じた。
鹿賀さんの場合

「ぅじゆぅう〜なのくかぁあ〜」

と思いっきり引っ張って歌うのだが、ものすごくストレートに表現。
これがダブルキャストの楽しみ。これがあるから何度も劇場に行ってしまうわけで。。。
しかも今回はトリプルキャスト。3回以上行かないわけにはいかないのだ。

「今こそ、、自由だ、、、、静かで、明るい、世界が、、、よみがえる」

なにが言いたいかというと、山口さん、他のキャストがのばすところを語り口調で歌ったわけ。
ふむふむ、こういうのもありかと、またまたうれしくなった。
もう退団した劇団四季だが、劇団四季のはきはきしゃべる感じ(あくまでもCDなどを聴いた上での判断だが)が体に染みついているのかなって思った。
司教様と出会い、食器を盗み、逃げるところもミュージカルというよりもオペラの会話部分といった感じ。
もう、なにもかも新しい感覚なので興奮しっぱなしだった。
さらなる興奮が次のナンバー「ヴァルジャンの告白」で起こった。

「いしの〜ように〜、心を〜閉じて〜」

なんと、鹿賀、滝田バルジャンより一オクターブ高いキーなのである。
おぉぉぉぉ!っと興奮。「俺の人生〜」はさすがに同じキーだったが(笑)

さて、「ジャンバルジャンは死んで生まれ変わるのだぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

でバルジャンがやっていた謎の行動(手をばたばたさせていて、なにをやっているんだろうと前回思った・・・前回のレポートに書いていないな、、、そう、思ったわけなのだ)の意味が一階席で舞台がよく見えたおかげでやっとわかった。

仮出獄許可証を破っていたのだ・・・

今更気づいた自分に苦笑。なるほどねえ。

「ゆめをみーてーたのね〜」

さてさて、ファンティーヌがでてくる。確か今回は鈴木ほのかさんだったはずだ。(実は岩崎さんだったのだが、この時は鈴木さんだと思いこんでいた)
前回岩崎ファンティーヌにぼろぼろ泣かされたので今回はもう少し落ち着いてみようと思ったおかげか、何とか泣かずにすんだ。
すんだというよりも、そこまで号泣するように感じられなかった。ホント、冷静に聴いていられた。やはり二回目ということがあるのだろう。
ただ、鈴木さんのイメージと違って、ちょっと淡泊な歌い方だったように感じられた。ミス・サイゴンのエレン役ではもっと悲哀漂う歌い方だったのだが・・・(しつこいようだが、この時わたしは勘違いしていた・・・)
泣かなかったが、やはり涙ぐんでしまったのは変わらず。涙が落ちるのが泣くということに今回は定義しておこう。

場面は進んでジャベールがファンティーヌを逮捕する場面。
ヴァルジャンがでてきて「どこかであった」と間抜けなことを言われ、いう台詞

「からかわないでよ〜」

が大好きなのだが、どうもしっくりとこない。うーん・・・と思ってしまった。

そして、馬車の暴走。一階席であったためか、馬車がよく見えない。二階席ではもう少しライトが当たってよく見えたのだが。
そういえばライトが暗い。それも演出なのかな。さっきの波止場の場面はちゃんとライトアップされていたし。
一階席でみたときに最適化されるはずなので、これが演出家の本意なのだろう。ダークな感じにしたかったのか。

ヴァルジャンの裁きの場面。やはりここもキーをあげてきた、山口ヴァルジャン。
聴いていて気持ちがいい。きれいなテノールは。
相変わらず語り口調なのだが、肝心なところはきっちりとのばしてくる。もう、興奮しっぱなしだよ、ほんとに。
無理して今日のチケット取っておいてよかった。

興奮しながら次の曲を聴いてしまったのがいけなかった。ファンティーヌでやっぱりぼろ泣きしてしまったのである。

「こぜっと、ひえーるよ〜」

もうこれを聴いただけでもうアウト。涙がにじむ。もうかわいそうでしょうがない。コゼットにあうこともできずこのまま死んでしまうと思うと哀れで哀れで(T.T)
ヴァルジャンがやさしく声をかけるところなんてもうたまらない。手が冷たくなるわと言うファンティーヌに暖めようと手をさしのべるヴァルジャン。あぁ、書いているだけで泣けてくる。

「めざめたらあのこにあいにいくわ〜〜」

もうめざめないのだよ、コゼットにあうことはできないのだよ、と、もうこの時すでに号泣状態。だめだな、物語にはまりこんでみると涙は押さえられない。

で、後からでてくるジャベールに怒り心頭。てめーでてくるんじゃねぇと。
そういえば、映画版ではファンティーヌはジャベールをみてそのショックで発作を起こしてしまうのだが、原作はどうなのだろうか。やっぱり原作も読んだ方がいいのか。

「あのくものうえに〜」

リトルコゼット登場。前回のコゼットが私的につぼだったので今回の子も結構気になっていたのだがやっぱり前回の子の声の方が好きだなと思った。
でも、今回のリトルコゼットも好き。やっぱりうまい。さすがだなあ。

テナルディエ、今回も徳井さん。ただ、相手が違って、大浦マダムテナルディエ。森久美子さんのマダムがすごいインパクトだったのでどうかなと思っていたのだけれども、これもまたすごい。
宝塚で男役をやっていたそうで、すらっとした長身のマダムがテナルディエといい対比。
でも、笑いをとれていたのはやっぱり森さんの方だったみたい。
しょうがないよなぁ、あの巨体と比べたらインパクトでまけちゃうもん。
お金をバルジャンから受け取ったあとのよろこび方、好きだなぁ。

さて、次の場面、パリ。
ずずずーっと建物がでてきて、その間をガブローシュ君が自分の街だと歌うわけ。
今回は稲垣君。ん?前回もそうだったのかな。とにかくよい、よい、よかった、すごい、としかいいようがない。

「ばんざーい!」

のあと、きりっとふりむき「した〜むけ〜」と全員で歌うところしびれる。かっこいい。

で、エポニーヌ一行がでてきた。

きた〜〜!!!!

島田歌穂登場。そう、あのたちかた、ふてくされた態度、マリウス大好き光線びしびしなエポニーヌ。
来ました〜ってかんじ。やっぱり今日のチケットとっといてよかった。しかも聞く所によると今回で卒業だそうじゃないか、島田歌穂エポニーヌ。
本物だよぉ、島田歌穂だよぉとまたまた興奮。歌い出すとまた興奮。牛かワシは(^_^;)

マリウスは戸井さん、アンジョルラスは今さん。どちらも前回のキャストと違ったのでこれまた新鮮な印象。
ホントうらやましい。かっこよくて、いい声で歌えて・・・

「えぽにーぬげんきか」「さがしてくれたの」

このマリウスとエポニーヌのやりとり、ホント切なくなる。この後にでてくるコゼットのせいで二人の中はあっという間に壊れ・・ん?!エポニーヌの片思いだから、壊れるということはないのか。

今回注目のコゼット役のtohko、ファンなのですごく注目だった。歌手なので演技が心配だったのだが、やっぱりそれも無駄だったようで、おびえるコゼットをうまく演じていたみたい。残念ながら、ここでは歌うシーンがないのでその声を聞くことができなかったのだが、それはあとの楽しみということで。
独特な声質なのでひっじょうに楽しみ。

まんまとヴァルジャンとコゼットに逃げられたジャベールが歌うナンバー「星よ」

「さぁ、にげてゆけ〜」

負け惜しみにしか聞こえない歌なのだが、川崎ジャベール、ホントに見事だった。ちょっとマイクの音量が大きすぎて、耳にいたいと思うときもあったけど、さっきも書いてしまったのだが、あの川崎麻世のイメージではなく、ジャベールの決意を感じられる素晴らしい歌声だった。
川崎麻世、おそるべしって思ってしまった・・・

ABCカフェの場面、今回はグランテールに注目してみていたのだが、ほんとだ、ずっと酒瓶持ってる。

「こいつはまるでおぺら〜」

で新聞を使ってなにをやってるのか気になったので(某有名レミゼサイトに乗っていた)それを見るためだったのだが、あはは(苦笑)

アンジョルラスの「いまこそーよろこびのこえでむかえよ〜」「こえをきいてむれとなりて〜〜」しびれた。

民衆の歌。前回旗を振っていてかっちょえぇっておもっていた人がアンジョルラスではなかったことが判明。あの役はいったい誰だ?しかも、あまり旗の振り方がうまくなかった。。。。かっこよく振ってくれ〜

そして、待ちに待った、コゼットのナンバー、プリュメ街。

「ふしぎね、わたしのじんせいがはじまった〜」

なにぃ!tohkoじゃない〜〜
いや、確かにtohkoだったのだが、自分のイメージしていたtohko像とあまりにも違う歌い方だったのでそう思ってしまったわけ。だって、CDとかでの声はもう少し横に広がった感じで、子音が「え」のときに、もっと生声っぽくきこえてくるものだと予想していたからびっくりしたのよ。
だからといって、だめなわけじゃなくって、やっぱり所々にtohkoらしさがでていたのでやっぱり好きだと思った。
音程もいいし、声質もまあ好きなほう。でもね、安達コゼットにかわいい〜って思っちゃったからやっぱり魅力半減かも。
もう少し開いた声で歌ってくれてもよかったんじゃないかな〜なんて。あ、でも、そんなことしちゃったら昔っからのファンが許しちゃくれないんだうから、あれでいいんだろう。

それにしても、コゼットの放つ「パパ」という言葉。なんて強烈なんだろう。この調子だとまたエンディングで号泣してしまいそうだ。「ぱぱ・・・」たまらん。

さて、このマリウスとコゼットを陰でこっそりみているエポニーヌにも心動かされる。

「つきささるかれのことばが〜」

そりゃそうだろうよ。マリウスが好きなのにそのマリウスからコゼットにあわせてくれてありがとうなんて言われちゃうんだから。切なすぎる。エポニーヌ。
今回のエポニーヌが島田さんって言うのも切なさ倍増の原因だろう。

「ゆめはきえた・・・」

切ない、切なすぎる。マリウスめ、このやろうっておもっちゃうのは私だけ?

テナルディエ一行がヴァルジャン邸に来たときのエポニーヌの悲鳴、実はすっごく期待していたので聞けてホントにうれしかった。ホントにぎゃーっていうんだもん。

で、一幕のクライマックス、ワン・デイ・モア

今更だけど、ホントにいい曲だと思う。曲だけでも泣けそうなくらいに好き。っていうか、実際泣く。
この時点でエポニーヌへの思いがけっこういい感じなので、

「きょうもひとりよ〜」

で涙腺解放。で、ヴァルジャンがあしたは〜ってさけび、ジャベールが革命をつぼみのうちにつみ取るとか決意し、マリウスとコゼットは会えたのに別れなくてはいけない悲しみを嘆き、テナルディエが手前であっちもほいこっちもほいとかいっているうちに号泣。アンジョルラスを忘れていた・・・そう、あんまり目に入ってないんだな、この時は。一番前にいるのに(笑)

そんなこんなで一幕、やっぱり泣きまくって終了。山口さんの美声と島田さんの切なさを感じた一幕でした。
そして、二幕になるわけなのだが、そうだ、ここまで書き忘れていたことがあった。

隣の席が空いていたと開演前で書いたのだが、実はあのあと「ナイロンの」コートを着たおじさんが遅れてはいってきて、座ったわけ。
なぜ「ナイロンの」と強調したかというと、このおやじ、オペラグラスを使う人で、しかも、眼鏡もかけていて、それをつけたりはずしたり、かばんをあけたりしめたり、うでぐみしたり、オペラグラスをしたに落としたり、と、とにかく落ち着きがない。しかもナイロンコートなのですれる音がうるさいうるさい。
しまいには寝ちゃっていびきまで・・・こんなやつと二幕もみるのかと思うとげんなり、ッテカンジだったのだが、ステージのすばらしさの方が勝ちってことであんまり気にしないことにしたわけでした。

幕間の休憩中には今回はコーヒーを飲まず、ロビーの一番奥で人間観察をしていたわけ。もしかしたらレマニーズ(レミゼ観劇マニア)をみることができるかなと思って。
たぶんそれらしき人たちはいた。「戸井さんだからいると思った」という会話してたし。

さて、出し損ねたバックステージツアーの当選者が発表されていた。もちろんそこに自分の名前は無し。
寝坊さえしなければ・・・

で、キャスト表を今回はきちんとデジカメで取ろうとみたらおどろいた。

「ファンティーヌ、鈴木さんじゃない!」

ホント、寝坊はするもんじゃない・・・

『第二幕』

二幕が始まる前にオーケストラピットをのぞいたのだが、みて驚いた。

狭い!!

オペラのオケピはもう少し広いぞ。何だあの狭さは。バイロイトみたいに舞台下までオケピになっているのだろうか。そう考えないとおかしい狭さ。すごいね。

さて、二幕が始まった。オーボエの「れみふぁそら〜」ちょっとはずし気味でこけた。
なんか、人間がやってるという感じがしたなぁ。

二幕の始まり、アンジョルラスを先頭にしてスローモーションででてくるのだが、あの姿が結構滑稽で好き。なんかおかしいですよね。あれ。

エポニーヌのソロナンバー「オンマイオウン」

たまりません、はい。

「またあたしひとり、いくところもないわ・・・」
「愛しても思い知らされる、一生夢見るだけさ」
「愛してる、愛してる、、、でも一人さ・・・・」

もう、この愛してるがもう、つぼ。切なすぎるエポニーヌの気持ちがでまくる一言。
うーん、何でこんなにエポニーヌに肩入れしてしまうんだろうか。
前回はそんなに思わなかったのになぁ。

バリケードが相変わらず見事なアクションでどどどっとでてくると、遠くからマイクで叫んでいるような声が聞こえてくる。

「がくせいたちよ〜よくきけ〜」「こりつだーーーみかたはいないーーーーーころすぞ〜〜〜」

これ大好き。バズという役の人が歌っているらしい。ん?ばず?だれ?

ジャベールが捕まり、バリケードを登ってくるエポニーヌ。そして、マリウスに抱かれ、言う台詞。

「だいじょう、まりうす、いたくはないわ・・・」

ああぁ、、、だめだ、死ぬなエポニーヌ!!!花を育てるんだろ!!

もうエポニーヌへの思いは募るばかり。なんでだ?何でこんなにエポニーヌの一挙一動に感動してしまうのは。やはり、島田さんの演技が素晴らしいから?
それにしても今回はエポニーヌに泣かされる。あまりにもかわいそうなのだ。
前回まではそれをよく感じ切れてなかったのかな。

一回目の攻撃が終わり、ヴァルジャンがジャベールを逃がし、夜が更け、エポニーヌに乾杯。

山口バルジャンの「彼を帰して」マジで素晴らしかった。美しい声、そして表現。みんなが絶賛する理由がわかった気がする。

そうして、女、子供は帰され、大好きで大嫌いでもある二回目の攻撃の場面が来た。

最初に書いておくが、前回の公演の時には全く泣かなかった場面なのである。だが、今回は違った。

ガブローシュ君が弾を拾いに戦場にでて、それを味方に投げ込んだのだがそれが届かずに死んでしまった(本当は届く設定なのだろうが、今回の公演では失敗した)あたりから前回とは違う感じ方でみていたようだ。
ガブローシュが死んで、再び遠方からの声を聞き、アンジョルラスが死のうと決意し、バリケードを駆け上がったあたりからもうすでに泣いていたのだ。
学生達がこれから戦い、そして死ぬ、そういったことを考えていたのかどうかはわからないが、とにかく、いつの間にか泣いていた。グランテールがアンジョルラスが倒れたあとに後を追うように駆け上がり、そして倒れる・・・もうがまんできなかった。
学生達が次々に倒れる様を見、もう号泣状態。自分でもよくわからないうちに泣いていたので、ホント不思議な感覚だった。
一階席だったのでよく表情が見えたからなのか。エポニーヌを思いすぎたからなのか。とにかく感動しまくった戦いだった。

そういえば、砦が回転し終わった頃拍手が自然にでてくるが、あれはオーボエに対する拍手?それとも、逆さまにぶら下がっているアンジョルラスへの拍手?どうもよくわからないのだが・・・私としてはオーボエに対する拍手と思いたいのだが、どうなのだろう。

下水道の場面、二階席で見たときよりも下水道って感じがした。やはり奥行きがあるように見える。
下水道の効果音も適度な音量で聞こえたし、やはり一階で見るもののようだ。
テナルディエ、いたのかって感じで登場(あまり印象に残ってなかった)

そうそう、下水道のふた、鹿賀バルジャンはちょっと苦労してあけていたが、山口バルジャンはひょいっとあけちゃった。これもバルジャンの捉え方の違いだろう。鹿賀さんは戦いで傷ついた体だから力がないだろう、山口さんは傷ついていたとしてもバルジャンは怪力だったのだろうと表現したのだ。きっと。

さて、ジャベールの名場面。自殺の場面だが、とにかく圧倒された。
川崎ジャベール、声量がすごい。ヴァルジャンを逃がしたことへの葛藤、自責、苦悩が手に取るようにわかる演技。
橋の上で死のうと決意するときの表情、ほんとすばらしいものだった。

「たどるみちもなーーーーーーーーい!!!」

のあとのブラスセクションも前回よりも素晴らしかった。ぴーんと張ったトランペット。すばらしい。

学生達が死んだことを何とも思わない女達が去ると、マリウスが一人テーブルに座っている場面になる。

「ことばにならない、いたみとかなしみ〜」

あっはっは、泣いちゃったよ、って感じ?どうも今回は泣くつぼが違うらしい。
前回は女性キャストに泣かされたが、今回は男性キャストにも泣かされるようだ。

「友はもういない」

どうやら、学生達にも肩入れしてしまったよう。だからこんなに泣けるんだな。幽霊となって登場した彼らを見てさらに涙腺解放。だめだこりゃ。

コゼットが再び登場。マリウスを介抱しているが、tohkoの歌声は心には響かなかった。(あくまでもここの場面ではという話)
やっぱり安達コゼットの方がかわいかったからだな、最後のBも安達がはずし、tohkoが決めたのにも関わらず安達の方がいいと思っちゃったしな。かわいいってのはとく?ちょっと程度の低い話だな、すいません。

そのあとの場面、ヴァルジャンの告白を聞くマリウス、すごくよかった。なんか、気持ちがでてた。なんか涙声なんだもん、いいよな、やっぱり。
次の場面で結婚式になるのだが、いつ着替えたのがわからなかった。さっきまで「ちかいます」ってバルジャンの告白を聞いていたのにいつの間にかタキシード姿に。
今度はそこの所、しっかり見ていよう。

結婚式の場面、前回は森マダムが会場をわかしていたのだが、今回の大浦マダムも同じように笑わせていた。やっぱり、笑いの量は森マダムにはかなわなかったようだが・・・

そして、最後の場面、ヴァルジャンの死の場面。やっぱりというか、予想通りというか。。。。つまり大泣きしてしまった。
さすがに嗚咽を我慢するといった前回ほどじゃなかったけど、油断したら声が出るくらい。なんだ、おなじじゃん(笑)

岩崎ファンティーヌ、だめだ、たまらない。何ででてくるんだこんな時に。あんたのせいでもう泣くしかないのだよと言いたくなる。
山口ヴァルジャン、「あなたのくにへ〜」ってファンティーヌに訴えているのね。今回やっと理解した。つまり、死へ導く人としてファンティーヌはでてるわけね、ヴァルジャンには見えているのねと。

そして、コゼットの言葉

「パパ、パパ。どうしてなの・・・」

もう「泣け!」といわんばかりの台詞である。かわいさではやっぱり安達コゼットなのだが、tohkoコゼットのこの時の表情がよかった。もう、ほんとに、どうして、どうしてなのよぉって感じで訴えるあの目。もう、我慢できません。

「ゆきーましょう〜」

だからファンティーヌ、そんなこというなって、

「かみよ、すくいのせかいへ〜」

エポニーヌ!!!あんたまででてきたかぁ!!!と泣きじゃくる私。

「わかものたちのこえがきこえるか〜」

遠くから聞こえてくる若者達の声。聞こえるよ、ドラムの響きが、そう、明日はくる、現実にはこないけど、彼らが望んだものはくるのだ、と、大興奮。大感動。
今こうやって書いているだけで泣けてくる。やばいよ、レ・ミゼラブル

例によってカーテンコールのあと、花を投げるという儀式(?)がおわり、もう終わりかなと思ったら、なんともう一度カーテンコール。
山口バルジャンの時にはもう一度カーテンコールがあると聞いていたが、ホントだった。この前の鹿賀バルジャンの時には一回だったのになぁ。なんでだ?

ホントにホントに素晴らしいステージだった。

二回目はどうなってしまうのだろうと予想はしていたのだが、一回目と違うポイントで泣きまくるという予想外の結果になった今回のレミゼ観劇。
恐るべし、レ・ミゼラブル。ホント、思い知らされました。

あと持っているチケットは一枚だけ。

絶対足りない・・・

当日券を求めて並ぶことにした。うまくいけばあと数回このレポートも書けるはず。
ちょうど休みなので毎日有楽町に通おうと思う。