NIRO vs YAMAHA

最近の日記はメカ的な話ばかりで申し訳ないのです。電化製品の話がしたい、そんな気分でいっぱいなのでしばらくは辛抱くださいませ。
さてさて、今回は題名にも書いたとおり、二つの製品の比較レビューです。
先日オペラ座の怪人を映画館に見に行ったことからにわかにホームシアター熱が上がってしまいまして、いろいろと物色していたのですよ。で、目についたのが次の2製品だった訳なのです。

[NIRO 400] http://www.niro1.com/jp/

[YAMAHA TSS-15] http://www.yamaha.co.jp/product/av/prd/cinema_st/tss-15/

二つの製品に共通するのは、まず「値段が安いこと」「リアスピーカーがいらない(使わなくてもいい)」「設置がしやすい」という点で、購入を検討する際にそこを重視して選んだ結果なのでした。
NIROの方は、通販専門の会社なので店頭で試聴することが出来ない。そういう理由で送料を払うことによってレンタルして自宅で試聴することが出来るというとっても素晴らしいシステムがあったので早速レンタル、試聴してみたのでした。TSS-15を買う予定でいたので、それよりも良ければ買ってもいいかなといったスタンス。
SONYPSX DESR-5100から光ケーブルでそれぞれのアンプにつなげて聞いてみました。
では、まずはNIROの感想から。

NIRO 400

写真の右側にあるブルーのシステムが[NIRO 400]で、この製品の特徴はテレビの上に「ぽん」と置くだけでスピーカーを5本設置した状態にすることが出来るという点。5.1chサラウンドをたった二組のスピーカーで実現してしまうというとっても工夫されたシステムです。実際我が家でも28インチテレビの上に置いて使用してみました。
試聴の際に使用したソースは「ハリーポッターと賢者の石」で、スニッチをやっている場面を使ってみました。
ほうきに乗って縦横無尽に飛び回る生徒達にあわせて右に左にそして、前から後ろ、右前から左後ろへと、前面にしかスピーカーがないのにもかかわらず音が後ろからも聞こえてくるというなかなか良くできている感じ。センタースピーカーの性能がいいのか、台詞がクリアーでしっかり聞こえてくる透明な響きのメインスピーカーの印象はとってもよいです。ウーハーも小さいスピーカーにありがちなびびり、こもりがなく上品な響き。ほんと良くできていると感心します。システムの設置エリアがほとんどいらないという点では自由度も高く素晴らしいシステムだと思います。アンプのデザインも上品で、全面に表示される文字も読みやすい。
ただ、正直な感想をいうと(NIROに返却する際にアンケートを求められたら書こうと思っています)5つのスピーカーを納めたユニットからする音は先ほども書きましたがクリアで指向性が高く、特にセンタースピーカーがくっきりはっきり再生してくれるので大変好印象でしたが、環境音を再生するあたりが若干弱く、普通のテレビを見る際には物足りない感じがします。その、足りない音域をウーハーから再生しているのか、そちらから音声が不自然に聞こえてなんだか気になりました。ウーハーの指向性も強いようでテレビの右下に置いていたら音が右耳の後ろに回り込んで不快な感じ。
その他に、ウーハーが防磁されていないのでテレビの近くに置いたら画面がゆがむ、色が変わるということもあったり、ドルビーデジタルではない音を再生すると(テレビの普通の音など5.1ソースでないもの)画像と音声がずれてしまうという大問題が発生。明らかに映像と音声がずれているのは非常にストレス。ただ、故障したアンプだったのかもしれませんが。(現在販売されているものはそのあたり、アップデートによって改善されたのかもしれません。詳細はこちら→http://www.nirostore.jp/04shop/upgrade/
というわけで、結論。ごめんなさい、NIROさん。我が家には合いませんでした。うちでは採用できないということになりました。映画をメインに見る人にはいいのかもしれませんが、うちはテレビなどを見るときにも常用しようと考えていたのでアウトです。

YAMAHA TSS-15

というわけで、NIROをレンタルして一週間もしないうちに電気屋に行って、前から目をつけていた商品で試聴も十分していたので、TSS-15を買って来ちゃいました。店頭価格24800円と表示されていたのですが、店員さんの粋な計らいで20000円に値引きしてもらえちゃいました。一番偉そうな人に声かけたのが良かったのかもしれない。早速家に持ち帰り、設置。
NIROと違ってこちらは5つのスピーカとウーハーという一般的なサラウンドシステム。
設置は簡単で、センタースピーカーの位置をどこにしようと悩んだだけで10分程度で終了。センタースピーカーは、テレビの下のPSXの上に置くことで決着。最初なのでリアスピーカーもセオリー通りにちゃんと後ろの床に直置きしてみました。(この製品、フロントサラウンドにも対応しているのでリアにスピーカーを置かなくても良いのです。これについては後述します。)
音質に関してはほとんど文句なしです。YAMAHAって、小さいスピーカーでもとっても豊かな音が鳴るんです。YST-M8というパソコン用のスピーカーも持っているのですが(現在リード作成用の机に設置)それもメインで使用してもいいくらいのいい音がするのですが、それ以上に豊かな音がします。7センチ角のキューブ状のスピーカーから出る音は、まさにミラクル。ウーハーもスピーカーが下向きについているし、ピラミッド状の反射板がついているので4方向に低音が分散される仕組みでいい具合に無指向性のスピーカーになっているようです。
早速ハリーポッターを見てみたのですが、バーチャルではなくリアル5.1chのスピーカーはやはり違いますね。きっちりと後方からの音も再生できていてまさに囲まれる音場に大満足。心配していた画面と音のずれもこの製品はなく、常時使用することにも耐えられそうです。
フロントサラウンドにも対応しているということなので早速リアスピーカーを前方に移し、バーチャルモードに変更して聞いてみたのですが、まぁまぁな感じ。確かに左右後ろ方向から音が聞こえてくるのですが、やはりリアルリアスピーカーを聞いた後には戻れないなぁ、というわけで小さいスピーカーで部屋のじゃまにならないということからリアスピーカーは後方に置くことにしました。スピーカーの角度を変えるスタンドがついているのもいいですね。
不満点もやはりあるので書きますが、まずは、音量の調整がしにくいことがあげられます。リモコンのボタンをぽんっと押しただけでは音量が変わらないんですよ。音量の調整にはボタンの長押しが必須な設定になっています。(今更気がついたのですが、本体のボリュームのランプが動かないだけで、微調整できていました。YAMAHA様、申し訳ございませんでした。)なので連打しても変わらない音量にストレスたまりまくり。あと、ウーハーのパワーがありすぎるのか、デフォルト設定ではウーハーが鳴りすぎます。テレビを鑑賞する際にはウーハーのレベルを最低にしてちょうどいいくらい。まぁ、大は小を兼ねるということでこの点はたいしたマイナスにはならないと思いますが。
不満点はこれくらいということで、聞き比べをした結果、見事YAMAHAが勝利し、めでたく我が家のホームシアターに採用されたのでした。

まとめ

5万円台のNIROと2万円台のYAMAHAを比べて結局YAMAHAを選んでしまったのは不思議な感じですね。値段じゃないんだなぁと。
ぼろくそにいってしまったNIROですが、再生するソース、部屋の大きさ等、うちとは違った環境ではもう少し違った結果になっていたかもしれません。特にNIROで検索してきた方には誤解されないように書いておきますが、決して、このシステムの音が悪いということではないのです。「映画を見る際」にはとてもクリアーなサウンドで気持ちが良いシステムだということで、テレビを見るのには向かないというだけです。うちでは相性が良くなかったということで、購入を検討されている方はまずはレンタルして聞いてみるといいと思います。
それにしても、ホームシアターのおかげでますますうちのコンポ(YAMAHA AX-10シリーズ)再生しなくなってしまうような…もったいないな