根性旅行記特別編 オペラ座の怪人の旅(一回目の一日目)2001/6/2.3(宿河原ー仙台ー新庄)

◆宿河原ー仙台
最寄りの駅である宿河原を出発したのは朝の7時。毎度お世話になっている南武線である。
今日が土曜日というせいか、いつもならば混んでいる南武線も比較的空いている。
溝ノ口駅を過ぎたころ空席が出来て座ることができたので、ザウルスをカバンから出してレポートを始めることにした。
さて、今回の旅はタイトルに書いたように、仙台で行われるミュージカル「オペラ座の怪人」を見に行くための旅である。
普通に仙台に行って観劇して、そのまま帰ってくるという旅になるはずであったのだが、駅のポスターでふと見た「土日切符」の存在を知ることによって、観劇以外にも大きな目的が出来てしまった。それは題して、
JR東日本、乗りまくりの旅」
この「土日切符」、価格は16,000円なのだが、これを使えば北は古川まで、どの列車にも乗ることが出来、事前に予約しておくことによって指定席にも乗れてしまうのである。こんなおいしい切符をただ仙台までの往復だけに使うなんて鉄道ファンの名が廃る。時間をうまく使って出来るだけ乗ってしまおうという企画に変わったのであった。
さっそく時刻表とにらめっこして出来たプランが、オペラ座の怪人を観劇した後に福島まで戻って、そこから山形新幹線に乗り新庄まで行き、折り返して山形で宿泊するプランが一番時間を有効に使えそうだということでそう決まった。
インターネットで調べたところ、仙台で泊まるよりも山形で泊まった方が同じ料金でワンランク高いホテルに泊まれそうなので一石二鳥?であった。そのままネットでホテルの予約をしたので、事前の準備は万端である。
さて、プチプチ書いているうちに川崎に着いた。東海道線に乗り換えるとしよう。
東海道線は2番線、いつものように跨線橋を渡り東海道線ホームへ。電光掲示板を見る。
「次の列車は7時」
ん?どういうこと?よく見ると人身事故により36分遅れとのこと。しまった。南武線で車内放送を聞いていなかった。
後悔していてもしょうがないのでそのまま京浜東北線のほーむへ。すると、
「2番線に東海道線が参ります・・・」
をいをい、せっかくこっちに来たのにそれはないんじゃあないのって思ったけど、やっぱり東海道線の方が早いので、またうんしょうんしょって跨線橋を上り東海道のホームに逆戻り。今日の東海道線、短い6両編成で来た。短い東海道線は初めて乗る。そういう編成もあるのね。
川崎駅を35分に出発。一路東京を目指す東海道線。車内はむしむししていて快適とは言えないものの、あまり混んでいなかったので比較的に楽。やはり土曜日だからだろう。品川で半分降りたのでさらに空いた。あーよかった。
新橋を通過。帝国劇場があるところである。オペラ座の怪人、ここでやってくれれば楽だったのに。(劇団四季なので浜松町の四季劇場でやるのが普通か)
東京駅には7時50分に到着。東北新幹線のホームを目指す。東北新幹線、何年振だろうか。ものすごく久しぶりなので忘れてしまったよ。
ホームに着くと、ちょうどつばさ、やまびこ号が出発したところだった。そうか!東北新幹線に乗るつもりだったけど、秋田、山形新幹線に乗っても仙台に行けるじゃん。うまくするとE3系に乗れそうだ。目的とする列車は8時52分発のこまち、やまびこ号。だけど、8時12分発の列が空いているのでこれに並んでしまおう。比較的空いているので座れそうだ。一粒で二度おいしいじゃないけど、これを逃すてはない。こまちの自由席の列に並んだ。
列車が入線してきた。E2系とE3が併結された秋田・東北新幹線。きれいな車体である。特にこまち。ピンクのラインがわたし好み。桜っぽくて好き。
車内に入ると天井が高いことに気づいた。
上越新幹線東北新幹線で使われているE2系よりも天井が高いので横幅が狭いのに広々とした感じ。内装も明るいグレーで感じがいい。シートに黄色のカバーがつけられているのがかわいい。
こまちは本当は秋田に行く人が乗るべき車両なので、仙台までしか乗らないというのは非常に心苦しいのだが、鉄道ファンのわががまを許して欲しいと、思いつつ席を確保した。
席に座った感じ、若干普通の新幹線よりもシートピッチが狭い気がする。まぁ、小柄なわたしには十分な広さなのだが、大柄な人にはちょっと窮屈に感じかもしれない。
8時12分、いつの間にか出発。モーターの音が若干大きめ。まるで209系(京浜東北線
車内放送で、この列車は275キロで走行します、揺れるのでご注意とのこと。そうか、275キロか。すごく楽しみ。
上野駅を通過。ガラガラなホームがなんか淋しい。昔はにぎわってたのにね。
それにしても対向列車の多いこと。東海道新幹線もすごいけど、こちらも負けていなさそう。すごいなぁと感心してしまうよ。
そんなことを考えているうちに大宮に到着。はやいなぁ。
ビルに反射して見える自分の乗っている列車の美しいこと。惚れますねえ。大宮で結構乗り込んで来たので車内はほぼ満席。秋田に行く人ごめんなさい。わたしは仙台で降ります・・・
大宮を出ると、自慢の275キロ走行が始まった。確かに速い。最高速240キロのときと明らかに違うのが分かる。揺れの方はというと心配したほどじゃない。これなら成田エキスプレスの方が揺れは大きいと思う。あっちは130キロ、こっちは275キロ。さすが新幹線!
そういえば、車内販売はまだだろうか。コーヒーが飲みたいのに。まさか盛岡から開始ということはないと思うが、早く来てもらいたいものである。
さて、先ほど「あまり揺れない」と書いたのだが、それを訂正。揺れる!しかも、すさまじく速い!さっきまでは275キロなんて出してなかったみたい。このスピード感、好きです。
田園を疾走する新幹線。外から見たらさぞ美しいことでしょう・・・ってがらにもないことを思いつつのんびりと風景をしばらく堪能。
しばらくすると顔の右側がじりじりと、
「暑い・・・」
朝日が横からもろに当たってすごく暑い。何だよ、熱線吸収ガラスじゃないんじゃん。日差しが上から照らすころには仙台についてしまうので、我慢だな。日よけをすると風景が見られないし。我慢我慢。
9時、もう宇都宮に着いた。速い!さすが新幹線。最近新幹線嫌い病にかかっていたのだが、それも直りそうだ。ホント速い。感心した。
宇都宮で隣に座っていた人が降りた。おぉ、降りてしまう人もいるのね、と、ちょっと安心。
宇都宮で反対側の席が空いたので席を移った。やっぱり暑いのは嫌だもんね。あぁ、涼しい。席を移って正解だったよ。
宇都宮から仙台までノンストップで走行。275キロを堪能。ん!?さっきより速いんじゃないか?まだスピード上がるのかい!ホント驚きである。もうこれで最高速だろうと思っていたところでさらに力行するのである。いやぁ、ホント、参りました。
福島を9時37分ころ通過。車内放送でも「通過したしました、仙台にはあと20分で到着します」との案内があった。車窓にはつばさとやまびこが併結された列車がちらっとだけ見えただけ。そう、ちらっと。それくらい速いのである。
やっと車内販売のワゴンが来た。いつものようにコーヒーを注文、砂糖はもらわずミルクだけをもらう。
うーん。おいしい。車内販売のコーヒーはめちゃくちゃ濃いので結構お気に入り。
そして、仙台には9時59分に到着。なかなかエキサイティングな旅になっりました。
さて、仙台に着いてからどうしたかというと、2時間も空いてしまったので、仙台の街をぶらぶらしてました。そして発見!ヨドバシカメララオックス…いきましたとも、えぇ。仙台まで行って何をしているんだって言われるのを覚悟で。30分、パソコンいじってました。
そのあと、ちょっとおなかが空いた私、何を食べたでしょう。牛たん、ずんだ餅、笹かま?いいえ、
吉野家で牛鮭セット!
ホントすいません、やっぱり安いしおいしいから行ってしまうんですよ。でもね、大発見なのですよ。
仙台の牛皿は、濃い!
大発見でしょ。で、その後、近くの勾当台公園で時間をつぶし、宮城県民会館に向かいました。

                                                                                                  • -

◆仙台ー新庄ー山形

さて、オペラ座の怪人を見て気分最高な私。これから夜まで時間あるし、さらには土日切符という最強アイテムを手に入れているので、切符をめいっぱい使う目的で、山形に行くのだ。
土日切符は指定席に乗ることが出来る。というわけで、仙台からは指定席を取っておいたので気持ちに余裕がある。いつもの旅行ではありえない事なのでちょっと不思議な感じだ。
で、今はというと、既に新幹線のホームにいる。目の前にはE4系新幹線、MAXやまびこが停車している。
指定席を取っていなければ迷わず乗るところなのだが、せっかく指定席なんてえぐぜくてぃぶなものをとったので、涙を呑んで見送った。ちょっと残念。まだ乗ったことがなかったし・・・
現在の時刻、ちょうど17時。列車が来るまではあと14分ある、と思っていたのだが、放送で、「まもなく」入線するとの案内。どうやら仙台発の列車のようだ。入線してきたのは懐かしの200系。私、乗るのは久しぶりである。新型車両を追いかけて乗っていたので、前回乗ったのを覚えていない程。さらに久しぶりなのが各駅停車ということ。久しぶりというか初めてかもしれない。各駅に止まるということは最高速は240キロ止まりだろう。朝乗ったE3系との比較が出来るのでうれしい。乗り心地を堪能しよう。
さて、ここで残念なことが。車内を撮影しようと思ったのだがデジカメのメモリーが一杯になってしまった。運が悪ければもう乗れないかもしれない車両なのに、ほんと、残念である。やはり、大容量のメモリーを搭載したデジカメを早いうちに買わねばなあと思う。
定刻、17時14分、発車。ふとホームをを見ると、売店に「牛たん弁当」の文字を発見。
うあぁぁぁ!!!!牛たん弁当!!!
しまった。買えばよかった・・・仙台に来たら買うつもりだったのにすっかり忘れていたよ。とほほ。
あぁ、牛たん・・・
さて、もう旧式となってしまった感のある200系新幹線(緑色のラインのあれ)。やはりあまり速度を出していないうちから先ほどのE3系全力疾走時と同じくらいの振動が起きている。トンネル内に入ると揺れは一層大きくなる。やはり旧式であることを意識させられる。まあ、こんな意見は鉄道マニアぐらいしか言わないだろう。一般的感覚ではそんなに気にならないレベルだと思われる。
車内販売のワゴンが横を通り過ぎ、、、あぁ、待ってくれぇ・・・
朝早くに起き、仙台まで来てミュージカルを見た後ということでかなり弱っているみたいだ。反応がかなりにぶっている。しかもザウルスのちまちましたキーボードで一生懸命入力しているというのも疲れの原因かもしれない。
というわけなので、福島までとりあえずレポートはお休みとすることにした。
43分、福島に到着した。全然お休みにならなかったな。ほんの30分くらいでついてしまったから。
さて、お楽しみの山形新幹線である。これに乗って一気に新庄まで行くのである。山形新幹線に全線乗るのは初めてなので楽しみだ。
福島ホームでは約10分の待ち合わせ。銀色の山形新幹線が入線してきた。指定席を取ってあるので余裕で14号車に向かう。福島までやまびこ号に併結されてきたつばさ号。お先に福島を出発。一路、新庄に向かう。
こまちとほぼ同じ形をしているこの車両なのだが、車内はちょっと感じが違う。こまちよりもダークなグレー。シートの色も落ち着いた感じでずいぶんと印象が違う。リクライニングの幅も若干こっちの方が大きい気がする。気のせいだろうか。
定刻どおり福島を出発したつばさ号。大きく左にカーブして在来線に乗り入れる。新幹線車両が在来線を走る。やっぱり不思議な感覚だ。今回は福島からの乗車なので速度のギャップに驚くという感覚は薄い。今度はぜひ東京から直で来てみたい。
車窓から見える風景ものどかな感じがして非常によい。山形新幹線は在来線を改軌した山岳路線であるため右へ左へと大きくカーブする。さらに耳がツーンとすることでも分かるように体感出来るほどの勾配(最高33‰)をグングンと上る。かなりのところまで上ってきているようだ。しかし、それにしても
遅い・・・
ホントに新幹線なのだろうかと思うくらい遅い。まぁ、仕方ないのだろうがそれにしても遅すぎる。どでかいトンネルを通すことは出来なかったのだろうか。いや、通すだけの財力がなかったからこうなったんだった。ぜいたくは言うまい。
景色は絶景である。青々とした木々、はるか下を流れる渓流、広々とした田園。眺めていて本当に飽きない。時間的にも、夕焼けがきれいな時刻なので美しい。ふだん都会に住んでいるとまず出会えない景色である。十分に堪能しよう。
車内販売が来たのでいつも通りホットコーヒーを頼み、ミルクだけをもらった。余談だが、こまちの販売員よりも丁寧だった。
山岳部を抜けると、米沢に到着。この辺の風景は、信越線で長野から直江津に抜けたときの風景ににている。山を抜けたら田園というのが特に似ている。
米沢を出ると、さっきまでの鈍足振りが嘘のように快調に飛ばし始めた。ようやく新幹線車両の実力発揮という感じだ。
車内の出入り口に、沿線案内が表示されるようになった。吾妻、朝日、などの山々に囲まれた田園風景、まほろばの里と呼ばれる云々。
確かに美しい。デジカメのメモリーに余裕があればデッキから間違いなく撮影していただろう。残念である。
雲がちょうど太陽を半分くらい隠しているのでまぶしくなくてちょうどいい。流れる田園風景とあいまって夕日がとても美しい。今回、このルートを選択して大正解であった。大満足である。
電光標示板には引き続き沿線案内が流れている。斜面に見えるビニールハウスは、山形特産のさくらんぼ、ぶどうの栽培に用いられているようだ。整然と並んだビニールハウス。同じ斜面で栽培することで有名な甲府のぶどう畑も見事だが、こちらも負けてはいない。見事である。
かみのやま温泉を過ぎたころ、太陽が完全に沈んでしまった。これからはだんだん暗くなってしまう。残念である。もっと見事な風景が見られるはずなのだが。
16時50分ころ、蔵王を通過。速度は130キロ出ているのだろうか。快調に飛ばしている。そして、間もなく山形に到着。ここでほとんどの客が降りてしまった。閑散とした車内。淋しい。
山形駅から、あとで泊まる予定のホテルらしきものが見えた。待ってろよ、ホテル山形。
2分ほど停車の後、19時ちょうど、山形駅を定刻どおり出発、かと思いきや、仙山線の遅れのため1分遅れの出発となった。1分の遅れならば、新庄には定刻につくだろう。
つるべ落としとまではいわないが、気づいたらあたりはまっくらになってしまっていた。風景を楽しみに電車に乗っているのでがっかり。レポートする内容も尽きたので、新庄到着までお休み。
予想通り新庄には定刻19時47分に到着。さすがである。
折り返し山形に戻るのだが、20時29分発と時間もあるし、せっかくなので一度外に出てみた。
なーんにもない・・・
ちょっと興味を引いたのは10.4というピザやさん。ちょっとお店が忙しそうだったのと節約のため我慢してしまった。富山に住んでいたころ、安くておいしいピザやなのでよく利用していたお店である。やっぱり食べたかったなぁ。
そして、もう一度駅に戻り、同じ路線を山形に向かって帰る。今度の列車は全席自由席、しかも始発なので文字通り自由に席を選ぶことが出来た。先ほどは太平洋側に座っていたので、今度は日本海側に座ることにしよう。しかし、真っ暗なので余り意味は無さそうだ。山形までまったりと行こう。
8時15分ころ、つばさ号が入線してきた。今度の車両は、同じつばさなのだが、山形新幹線が出来た当初から走っている400系である。先ほどの新型よりも窓が倍大きいし、天井の高さも違う。こちらの方が低い。シートは薄いブルー。清潔感があって、こういうのいいかなと思う。
席に座ったとたん、急激に眠気が来た。終点が山形なので、もう寝て行くことに決めた。おやすみなさい。
21時12分。定刻に山形に到着。コンビニによって夕食を買い、予約しておいたホテルに向かう。すんなり見つかってよかった。結構疲れたので、明日のためにも早く寝よう。
オペラ座の怪人ツアーの一日目は、こうやって過ぎたのであった。