根性旅行記 富山編2 2001/3/29 (富山〜宿河原)

富山編パート2である。なんだかんだといってこの根性日記も今回で6回目になる。
思えば18切符の旅を始めたのが大学生になってはじめての夏のこと。あれからもうすでに5年以上たっている。何も変わらない自分、何も成長していない自分・・・
まぁ、そんなことはどうだっていいのだ。楽しく旅行できればいいのだ。
今回のレポートは、春の北陸から大糸線、中央線を経由して自宅まで戻る旅である。
実はこのルートは2回目なのだが、今回は連れがいるということでまた違った旅ができるのではないかと思う。連れというのは大学時代からの友人O氏。同じアパートに住んでいたことがあるよき友人である。富山での2年間、ホントにいろいろなことがあったねえ・・・(どうやら北陸にいるのでセンチメンタルな気分になっているようだ)
さて出発だが、ホントは朝6時台にしようと思っていたのだが、彼の提案で9時台の出発になった。そのおかげでゆっくり眠ることができたので彼の提案には感謝している。
今回の旅行で私は富山駅のすぐ横にあるホテル「富山地鉄ホテル」に一泊をした。ホテルの快適な睡眠のおかげで今日はすっきりぱっちりなお目覚め。(出発時間ぎりぎりに起きたためせっかく朝食付きの宿泊費だったのに食べれなかったのがちょい痛かった)
実は全開にするとまるでロケットの噴射のようなあっという間にたまるお湯の量に気分を良くし最大の水量にしたところみごと大洪水というより大噴水。思いっきり服が濡れてしまって翌朝までに乾くか心配だったのだが、乾燥していた室内のおかげでどうやら完全に乾いたらしい。一泊だけの時は着替えは持たない主義。汚い?
昨日金太郎温泉に入ったせいだろう、体がまだ硫黄臭い。ゆっくり風呂に入ったのに落ちないとはなかなか手強いな、金太郎温泉。おそるべし。
9時ジャスト。今日の天気を確認しようとカーテンを開ける。見ると灰色の空。
「○□○゛が〜〜ん」
北陸の曇天模様はホント、気が参る。こんな土地によく2年間も住んでいたなと…
本日の天候は雨。大糸線という絶景の続く路線を通過するのに、雨、雨!ついてない。富山駅のホームが眼下に広がる。朝の通勤ラッシュも終わりちょっと一息といったところか。これから乗る列車もそろそろホームに入線する頃だろう。準備をして出発としよう。
O氏と廊下で合流。フロントでチェックアウトの処理をしてもらい一晩お世話になったホテルを出発。駅に向かう。
富山駅に横付けといってもいい場所にホテルがあったので、目的地富山駅は1分ほどで到着。18切符を用意し、いざ5番線へ・・・え?なに?チケットがない?O氏、18切符を無くしたようだ。しばらくごそごそやっているうちにどうやら発見。改札でスタンプを押してもらいホームに入場できた。いきなりひやひやだよ。果たして無事につくことができるのだろうか。
富山駅を9時32分発の直江津行き普通列車に乗って出発。毎度おなじみ455系である。前回、夕焼けの海を直江津から富山に向かって乗った車両と同じである。ただ、今回は思いっきり雨が降っているので気分が悪い。北陸の雨はやっぱり嫌い。
雨の北陸をひたすら走る455系。齢すでに30を越えているだろうこの車両。前にも書いたがそろそろ引退させてあげたらどうなんだろうか。サンダーバードが130キロですっ飛ばす路線なのに普通列車はもうよぼよぼなお年寄り列車。普通列車も同時にスピードアップすれば地元住民も大歓迎だろうと思うのだが、やはり、北陸新幹線がもうじき完成(もちろん一部区間だが)なので、それまで今のままで行こうという作戦なのだろう。それまでがんばって欲しい。
二人が住んでいた黒部を通過。バイトしていたガソリンスタンドの所長、お元気だろうか、ふくろやの店員は相変わらずなのだろうか、パルフェのポイントカード、まだ持っているんだけどなぁ・・・
いろいろな思いが交錯する。今回は話し相手がいるので(しかも、同じ黒部に住んでいた仲間)そのようなことを話しながらいると、10時56分、いつの間にか糸魚川に到着。やはり一人で何もしないでいるときより到着が早く感じた。面白い。
糸魚川駅では約40分の乗り換え時間があるので次の列車までちょっと待つことに。
実は生きている糸魚川に降りたのは今回が初めて。(いつもは早朝、または深夜に降りることばかりなので売店、駅前の商店が開いていることがなかった。つまり死んでいた。)
降りてみると駅の隣にすごく大きな土産物屋があることに今回初めて気がついた。やはり糸魚川翡翠(ひすい)で有名な所だけに、翡翠のおみやげが奥のカウンターにずらり。O氏は翡翠カフスボタンが気に入ったよう。買っちゃえばよかったのに。
一通り土産物屋は回ったので駅に戻り、おなかが空いたので弁当を買おうと思ったのだが、売店にパンが販売されていたのでそれを2個買って大糸線のホームに入場。
形式をメモするのを忘れたが、ワンマン運転可能な気動車がアイドリング音を響かせながら一番山側のホームに停車していた。半自動の扉を押し開け中にはいると木造の床が時代を感じさせる。ホント、古い車両ばっかりだ(笑)
パンを食べながら出発時間を待つこと約10分。11時42分、大糸線南小谷(みなみおたり)行きが定刻に発車。気動車独特な走り出し方。これが好き。電車にはないこののんびりとした加速感、たまりません。今まで来た方向に北陸本線を戻るように進み、しばらくして左に大きくカーブする。ここからは単線なので対向列車に何度かあえるだろう。
何年か前の水害での被害はまだ癒えていないのだろうか、むき出しの岩盤が痛々しい傷跡を見せる。前回通ったときは晴れていたのでまた違った印象である。やはり曇天の下だとさらに痛々しい。自然の恐ろしさを痛感する。
12時38分。定刻通り南小谷に到着。今日は一人ではないからなのか到着がいつもより早く感じた。二人旅もなかなかいい。相手が女の子だったらさらによいのだろうが。
列車から降りて、次の乗り換えまで時間があるので一度駅舎で待つことにする。いつもはちょうどいい乗り換え列車があったのでそのまま次の列車に乗り込んでいたため駅舎に降りたのは今回が初めて。出発時間を遅らせるといろいろ面白い発見ができる。
それにしてもおなかがすいた。やはりパン2つでは足りなかったようだ。何か腹の足しになるものをと探してみたら今の自分にベストマッチな自動販売機を発見。
「かっぷらーめん〜」
日清のカップラーメンの自動販売機があったのでスタンダードなカップヌードルを購入。3人しか駅舎にいなかったので麺をすする音が響く・・・その音に刺激されたのかO氏も購入、ラーメンをすする二人。何か恥ずかしい。
そして満腹になった頃の13時8分のちょい前。松本行きの列車が入線してきた。この車両、いつもいつも思うのだけれども、独特なにおいがする。たとえていうならば猫のおしっこ。アンモニア臭というのだろうか、鼻につーんとくるにおい。なので、いつもはにおうんだよなぁ、今回はどうかなぁと乗り込んだところやはりそのにおい。いったい何のにおいなんだろう。ものすごく不快なので改善を要求するぞ。
13時8分、音もなく発車。先ほどの気動車からVVVFインバータ搭載の最新鋭の電車になったので車内の異様な静けさにちょっと緊張。するするっと加速してするするっと停車。やはり30年の技術の差を感じてしまう。すごいもんだ。先ほど食べたカップヌードルが満腹中枢を刺激したのだろうか、眠気が来たので、少し目を閉じ、お休みとしよう。
車内の騒がしさに目をさますと自分たちの座った席の周りに小学生くらいの子供たちがうようよといつの間にか群がっていた。クラス単位でどこかに出かけていたようだ。とにかくうるさい。O氏は黙ってそれらを見ている。(O氏、その時は黙っていたのだが実は相当きていたみたい。松本に着いてから教えてくれた)
ガムの包装紙を床に投げ捨てた子供を目撃してしまったので私のストレスレベル急上昇。ゴミをゴミ箱に捨てられないやつはくずだ、くずかごに入りなさい。ゴミはゴミ箱に捨てなさい!
車内では緊急記念撮影会が勃発。ぴかぴかびかびか。。。。車内に閃光が飛ぶ。笑い声も飛ぶ。最近の子供は・・・イライライライラ
房総半島の野蛮「猿以下」高校生の時ほどではないがあまりのうるささにあきれてしまった。大人数だし、みんなで出かけると楽しいので騒ぎたくなるのもわかる。でもね、もう少し静かにして欲しかったよ。
地獄の数時間が過ぎ、ようやく終点松本に14時51分に到着。もう二人ともぐったり。身体的疲労よりも精神的疲労の方が体にはこたえる。次の路線はどうか静かでいて欲しい、そう祈っていたのであった。
だが、二人の祈りは届かず、15時2分発の甲府行き普通列車ではさらなる悪夢が待ちかまえていたのだ。
発車後しばらくは静かな車内を保っていたのだが、途中駅で乗り込んできたマスクをした女の子とその友達がものすごい声でしゃべりまくったのであった。特にマスクの女子高生。マスクをしているのにものすごく声がでかい。しかも内容がくだらないし、とても人様にきかせるような話じゃない。神経が切れているとしか思えないひどい内容に二人とも呆然。全くどうしようもない子だ。お仕置きだ、びしびし〜!とすることができたらどれだけ救われただろう。騒音をまき散らすイナカモノを野放しにしていたおかげで二人のストレスはピークに。だが我々も大人なので黙って辛抱をした。マスクじゃない方が先に降りたところでようやく悪夢は去ったのであった。どうせならこのまましゃべり続けてくれればいいのに、、、そう思うところまで我々の神経もおかしくなりかけていたのである。電車の中でのおしゃべりはもう少しおさえるのだよ。私は目の前のマスク女子高生にテレパシーをその子が降りるまでずーっと送り続けたのであった(嘘)
騒音の元が降りたあとの車内はまるで水をうったような静けさ。電車の騒音さえ心地よく感じるほど。こんなに静かだったのだと改めて実感することができた。マスク女子高生よありがとう(大嘘)
甲府駅には16時41分に到着。次の乗り換え列車は54分なのだが、一度甲府駅で降りて何かを食べようということになった。(もう精神がいかれていたのだ、休憩が必要だった)
そこで私は甲府駅に着くと必ず買っているあるお菓子を購入すべく階段を上がり右に曲がり・・・
「うりきれ」
アァムジョウ。レ・ミゼラブル・・・・
丸ごとイチゴとクリームを牛皮でくるんだべりべりデリシャスなまんじゅうはすでに売り切れてしまっていた。がっかりだ。
代わりに何か喫茶店がないかと改札を抜け、探すこと1分。おいしそうなパン屋さんを発見。
カレーパン、ホットサンドなどをトングでとり、レジで会計をすましお店のテーブルでほおばる。
「うまし!」
こんなにおいしいパンがあったのかと思うくらいおいしいパン。がつがつと食べる私。
O氏に聞くところによるとうちの近所にも同じ系列のパン屋さんがあるらしい。そのとき、「毎日通う!」そう決心したのであった。(のだが、いまだ行っていない)
十分満足したところで甲府駅を適当な時間に出発。(もう、ここまできたら時間をチェックする必要が無くなってしまっていたので、覚えていない。すいません)
そして、八王子駅で彼は横浜線に乗り換えるのでお別れ。約11時間の旅、お疲れさま。立川駅に到着後、私も南武線に乗り換え。結構足にきている。11時間座りっぱなしだったからだろう。南武線のホームでは川崎行きが待っていたので、それに乗る。
まもなく発車した南武線。中を見回すとあることに気がついた。携帯電話でメールをする人の多いこと多いこと。しかも、半数が503シリーズ。しかも自分が持っているD503i以外の機種が勢揃い。つまり、一つの車両にドコモ503シリーズが全部そろってしまった。恐るべしドコモの勢力。ここで自分も混ざってメールを打つと何かイヤーな感じがしたのでそれを出さずじっと我慢。
そして、ようやく自宅に最寄りの駅に到着。到着は21時くらいだっただろうか。かなり疲れている。それも全部あのマスク女子高生のせいだ!そう思いながら自宅に到着。さっそく服を着替えるとき自分の服から発せられる異臭に気づいた。そう、一日中金太郎温泉のにおいをさせながら電車に乗っていたのであった。
実は一番迷惑だったのは、私の服にしみこんだ硫黄臭だったかもしれない!
呆然と風呂場で立ちつくす私であった・・・

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旅行データ 青春18切符使用 2001年3月29日 富山駅を9時32分に出発 21時頃到着(時刻確認せず)