モーツァルト!

MOZART!モーツァルト! 2007年12月9日 マチネ13:00開演 

ヴォルフガング 井上芳雄
アマデ 野本ほたる
ヴァルトシュテッテン男爵夫人 涼風真世



日曜日のお話。久しぶりに帝国劇場に行ってきました。そう、MOZART!の再再演です。
2002年、2005年とやり、今年は3回目(日生劇場分をいれると4回目になるのかな)。いつものB席で見てきましたよ。


さてさて、感想ですがさすが3回目ともなるといろいろと熟成されてきましたね。音楽的にはもちろん、台詞回しもところどころ変わっていて(特にレオポルト)よりわかりやすいようになっていたようです。ただ、舞台装置、これ、年々簡素になっているような・・・気のせいですかね。


では、いつものように各キャストの感想を。


まずはヴォルフガングの井上さん。相変わらずの美声に惚れますね。以前よりもなんだか自然になった感じがしました。ただね、やっぱりあと少しって感じちゃうんですよね。別に井上さんが嫌いってわけじゃないんです。ご存じの通りボクは高音スキーな人なのであとちょっと、あとちょっと高音が出ればっ!ってもどかしく思っちゃうわけなのですよ。初演の時にはあちゃぁって感じた例の場面(何故愛せないの:ボクには他の人と同じにはなれない本当の自分を殺せはしない〜)もかなりよくなっていたし、以前よりは苦しそうな高音は減ったのですが、あとちょっと、ほんと、あとちょっとなのね。今後に期待です。そうそう、ヴォルフガング母が亡くなった後のあのシーンはひっじょうによかった。なるほど、これはいい!そう思いましたよ。


ナンネルの高橋さん、相変わらず素敵。やっぱり高橋さんのお嬢様はいいですね、とっても似合います。ファンテーヌよりもこっちの方がはまり役、そんな感じがしますね。初演の際にあまりの歌のうまさに驚きまくったボクですが、やっぱり好きな声質に抜群の音程感覚にしびれます。プリンスは〜でていった、素晴らしい。市場のシーンが一番好きかな。


コンスタンツェのhiroさんは今回からのキャスト。さてさて、いったいどんなことになってしまうのやらと思っていたのですが、まぁ、いいんじゃないかなぁって。Speed時代のあの気持ち悪い、下からすくい上げる歌い方やビブラートは相変わらずで、何度かおえぇ(;´Д`)ってなったのですが西田コンスや木村コンスのような声量のなさからくる物足りなさを感じることはなかったのでよかったかなって。控えめな演技のhiroさんでした。やっぱりコンスタンツェは松さんを超える人はでないなぁ・・・


そしてヴァルトシュテッテン男爵夫人の涼風さんですが、えっとね、ようやくまともな男爵夫人が聴けた感じ。
大阪公演や博多公演では香寿さんや一路さんという、例のあの人以外の男爵夫人を見ることができたようなんですが、ボクは今回初めてあの人以外をみることができたのですよ。しつこいですがあの人(怒)のせいでぶちこわしにされた記憶ばかりだったので今回の涼風さんでようやく救われた気がします。「星から振る金」で帰りたくならなくなったのは初めてですよ。(相変わらず歌詞の内容はイミフですが)
白いドレスを着た涼風さんをみてマリー・アントワネット?って思ったのはボクだけではないはず。一路さんの時はきっとエリザベート?って思ったに違いない。


今回はアルコ伯爵が花王さんから武岡さんに変わっていました。実は1幕まで花王さんだと思っていたのは内緒。武岡アルコは、うーん、なんだろう、癖が無くってちょっと物足りなかったかな。もうちょっと遊びがあってもいいかなって思いました。アルコは山路さんがやってもおもしろそうですね。次回はダブルキャストで希望。


コロレド大司教の山口さん、年々おなかの調子が悪く、ひどくなっているようで(笑)初演の頃とは別の作品ですね、ありゃ。
相変わらずのバズーカボイスににやにやしながら聴いていましたがあの美声は衰えを知らない、そんな感じですね。山口さん、大好きです。


シカネーダーの吉野さん。ヴァンパイアのあの姿が強烈だったからか、シカネーダーは変態度2割り増しでみえてしまいましたわ。ヴォルフガングをおそっちゃうんじゃないかって(笑)


うぉっと市村パパを忘れていました。今回一番変更点があったのはレオポルトなんじゃないかなって思いました。セリフの変更、演技の変更、いろいろちらほらとみえました。
2幕、仮面をかぶって出てくるのですがやっぱりあの場面になると思い出す



市村ファントムのCDが欲しい!!!



劇団四季時代に市村さんがオペラ座の怪人をやったCDがあるようなんですよね。本物が欲しいとはいわないのでせめて音だけでも聞いてみたい、もう何年も思っています。どうにかして手に入れられないかなと思っているのですが、ヤフオクでは3万円以上した記憶が。
オポルト、市村さん以外にはできませんね、超はまり役で最高でした。



もうキャスト忘れてないよね?では、まとめに。
いつもモーツァルト!を見て思うのはコンスタンツェかわいそうってこと。なんでモーツァルトは浮気なんてしたんですかね。ひでーよ、なんてことすんだよっていつもコンス側についてしまいます。レミゼのエポニーヌに肩入れしちゃう、そんな感じですかね。浮気はいかんですよ、絶対。
頭の方にも書きましたが舞台が妙にすっきりしてみえたんですよね。昔はもっとキラキラしていたような気がします。コロレド大司教の馬車のシーンのバックスクリーンは昔よりだいぶクオリティあっぷしましたが。あ、そうそう、そのバックスクリーンですが、劇場のシーンが映し出されたとき、妙な立体感に感心しちゃいました。奥行きがあるようにみえたんですよね。そういう技が含まれた映像が投影されたんでしょうか。


今回は井上ヴォルフしか見られなかったのですがモーツァルトはもういいかな、そんな感じが正直しました。キャストの変更があればまた見に行くと思いますが、なんだろう、レミゼミス・サイゴンエリザベートのような終わった瞬間にチケットを買い足しに行きたくなる、そんな演目じゃなくなっちゃったんですよね。財布には優しいですがちょっと寂しいかな。